住職のつぶやきのページ

「袖すり合うも他生の縁」という諺があります。
見知らぬ人と袖が触れあうような小さな出会いでも、
偶然ではなく前世からの因縁によるものです。
お互いに出会いを大切にしましょう。
「他生の縁」とは前世で結ばれた因縁のこと。
「他生」は「多生」とも書きます。
英語で幸せを意味する「HAPPY」の語源は「出会い」です。
つまり、良い出会いが幸福を導くのです。
では良い縁を頂くためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
そのためには、自分が相手にとって良い縁になることです。
そうすれば相手も自分にとって良い縁になってくれます。
そのために一歩一歩努力精進するのです。
私たちは人間関係の中で生きています。
人と人との繋がりがあってこそ「人」は「人間」になれるのです。

今年二月十六日 八〇〇年の時空を超えお題目の声が 小湊誕生寺に響いた。
伝統仏教教団初となる 全世界オンライン参列による日蓮大聖人御降誕八〇〇年慶讃大法要。
今 まさに世界人類が直面している世相は日蓮大聖人の『立正安国論』と同様だ。
コロナ禍の現状は 自然界に対する人類のエゴと その罪の結果でないだろうか。
いのちの危機 こころの崩壊を救う良薬こそ私たちが唱えるお題目だ。
元本の無明を切る大利剣それこそ 私たちが唱えるお題目だ。
人々は信じることで救われてきた。
共に生き 共に寄り添い
共に 唱題修行に精進しよう。

 今年 二月十六日 日蓮大聖人
  御降誕(ごこうたん)八百年の 慶賀を迎える。
日蓮大聖人が生きた 鎌倉時代
天変(てんぺん)地異(ちい) 飢饉(ききん)疫病(えきびょう)が広まり
牛馬巷(ちまた)に倒れ 骸骨が路に溢れた。
日蓮大聖人は 『立正安(りっしょうあん)国論(こくろん)』を進言し
  法華経信仰よる 社会の平和を願った。
コロナに終始した昨年
ネットを悪用した 誹謗中傷 非道な殺人 自殺者急増の一年だった。
  今年はどんな年になるのだろうか。
思えばコロナウイルスより 怖いのは 人間の 心の病でないだろうか。

お題目の力を信じ お題目を念じ
共に 心の平和 社会の平和を祈ろう。

法華経は、一仏乗の教えである
 一仏乗とは、どんな修行の段階の人でも成仏できることを示す。

法華経は、皆成仏の教えである。
 皆成仏とは、老若男女・貴賤上下
あらゆる人が成仏できることを示す。

法華経は、曼荼羅の教えである。
 曼荼羅とは、神仏が一つにまとまり 相互に助け合うことを示す。

法華経は、共生の教えである。
 共生とは、共に生き共に栄えることを 目的とした生き方である。

コロナ禍の中、従来の価値観や社会生活が
変わり 今後、 どう生きるかが問われている。
今こそ、法華経への信仰を深め 共に修行に精進しよう。

コロナウィルスの感染が拡大してる。

密閉・密集・密接の「三密」の回避が叫ばれ現状を刻々伝えるマスコミ。
情報を聞けば聞くほど負の連鎖が起きている。

感染者増大、迷走する支援金、三密無視の人
不安・不満・不信・「三不」の増大だ。

今、私たちに大切なことは 社会全体が お互いに信じ合うことだ。
「感染すること」への防御と同時に「感染させないこと」への自覚を持とう。

私は、あなたにうつしません
 あなたも、私にうつさないで
  お互いを信じましょう

行く川の流れは 絶えずして 

しかも もとの水にあらず

よどみに浮かぶ うたかたは

かつ消え かつ結びて 

久しくと止まりたる ためしなし

鴨長明は『方丈記』で川面に浮かぶ泡に
 
人生の無常を観た

山紫水明 京都の鴨の流れ

いつまでも 清き流れであって欲しい

自ら動き 他をも動かす水

常に自分の進路を 求めて止まない水

清濁一如 自他共に清める水

大自然は偉大だ